遊びながら科学や技術の面白さを体験できる仕掛けがいっぱい。「1トンをもちあげよう」(左)と「ゴロゴロドラム」(右奥)

自然教室(ビオトープ観察会)の様子

ビオトープの池で確認されたアカガエルの卵塊

報告
更新日: 投稿者: 神戸新聞社

神戸製鋼所 灘浜サイエンススクエア

製鉄、発電などテーマに体感 「ゴロゴロドラム」が人気 ビオトープ観察会も

 神戸製鋼所が設立した「灘浜サイエンススクエア」は2004年の開設以来、年間約5万人が訪れる体感型学習施設だ。遊びながら科学が学べる無料の展示が人気で、SDGsの目標の一つ「質の高い教育をみんなに」に貢献している。山口康志館長は「開館から22年。子どもの頃に、当館を訪れた人が、大人になって、お子さんや教え子らと二度三度と来てくれる。そうした話を聞くと、地域で一定の役割を担えていると実感している」と話す。

 神戸港を臨む灘浜地区。阪神甲子園球場27個分の広大な敷地に、神戸製鋼所の鉄鋼製品を製造する「神戸線条工場」と発電を担う「神戸発電所」がある。同工場で生産される鋼材を使った弁ばね(自動車エンジン内部の部品)は、世界中の車の2台に1台で使われているという。主に鉄鋼メーカーとして知られる同社だが、製鉄業で培った自家発電のノウハウを生かして02年には電力供給事業を開始した。新事業に伴って、敷地内に開設したのが「灘浜サイエンススクエア」だ。神戸市内の小学校高学年を中心に、工場や発電所見学と合わせて校外学習で訪れるという。

 「製鉄、発電、エネルギー、環境」をテーマとするメインの展示室は、見学ルートが指定されておらず、約30ある展示物にも使い方の説明や理論解説はほとんどない。「知識を体系的に学ぶより、体感して『?』や『!』に出合い、科学に対する好奇心を育んでほしい。館内ガイドがヒントを投げかけることもある」と山口館長。もっと詳しく楽しみたければ、同施設で購入できる「ヒントの本」の活用もお薦めだ。

 最も人気の高い展示物は「ゴロゴロドラム」。大きなドラムの中に入りハムスターのように手足を動かすことで、ベアリング(軸受け)の効果を体感できる。「発電計算機」はポンプを15秒間上下に動かして、額に汗しながら発電を体験。子どもも大人も楽しみながら科学の面白さや不思議さを体感できる内容だ。工場や発電所の紹介にはプロジェクションマッピングを導入するなど、24年に一部をリニューアルし充実度も増している。

 展示室の見学を終え、屋外へ出ると緑地の先にビオトープが広がっていた。目の前には海、横には石炭火力発電所の高い煙突がそびえる異色の空間。さまざまな植物や生き物が観察でき、取材した2月中旬には、ニホンアカガエルの卵塊が確認できた。週末を中心にビオトープ観察会やネイチャークラフトなどの自然教室が開催されるほか、館内の「なだはまルーム」では静電気や空気砲などの実験教室も開かれている。

 山口館長は「周辺の住宅環境や神戸の景観に配慮した都市型発電所について理解を深めてもらうためにつくられた地域交流施設ですが、企業のPRという枠を超えて次世代教育の一端を担えていればうれしい」と話している。

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 「ヒントの本」は1冊100円。神戸市内の小中学生は、「のびのびパスポート」提示で無料になる。

虹色の装飾
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